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チンパンジーの方がヒトよりおせっかい嫌い?

2009年10月15日

チンパンジーは他者に頼まれると道具を貸してやる利他行動をとることが珍しくない、という実験結果が京都大学霊長類研究所と野生生物研究所の研究者によって得られた。

ただし、ヒトの場合、頼まれなくても進んで他者を助ける行為は珍しくないが、こうした行動をチンパンジーがとるのは、相手に要求された場合が74.7%を占める。この方がおせっかいにならず、必ず相手の役に立つので無駄がないことから、ヒトで見られる助け合い社会も、チンパンジーにみられる「要求に応じた手助け」から発展してきたのではないか、と研究者たちは言っている。

霊長類研究所の大学院生、山本真也氏(現・学術振興会特別研究員)と田中正之・野生生物センター准教授は、道具の受け渡しができる穴の開いた隣り合わせのブースにチンパンジーを入れ、その行動を調べた。壁に取り付けられたジュースを飲むために必要なストローと、手の届かないところにあるジュース容器を手に入れるのに必要な棒は、隣接のブースに置く。これらの道具がほしいチンパンジーと隣接ブースのチンパンジーの間でどのような助け合い行動が見られるかを観察した。

この結果、道具の受け渡しが見られたのは全試行のうち59.0%で、このうちの74.7%は、相手から要求された場合であることが分かった。手の届かない所にあるジュース容器に向かって隣接ブースのチンパンジーが必死に手を伸ばしているのを見て、自発的に手に持っている棒を渡すような“親切行為”はまれだった。

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