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南海トラフの巨大地震は155万年前から

2009年8月18日

繰り返し発生している南海トラフの巨大地震の歴史は155万年前までさかのぼることが、地球深部探査船「ちきゅう」による紀伊半島沖の掘削調査結果から明らかになった。

駿河湾から東海、紀伊半島、四国沖にかけて日本列島沿いに延びる南海トラフは、フィリピン海プレートが、日本列島を載せたプレートの下に潜り込む場所。プレート潜り込みによって蓄積されたひずみが一挙に解放される巨大地震がこれまで繰り返し起きている。歴史資料によって巨大地震発生は1,300年前から起きていることが確かめられており、さらに津波による堆積物の地質学的記録から数千年前までさかのぼることが分かっていた。今回、巨大地震を起こす断層活動の全歴史が解明されたことは、東南海、南海地震とそれに伴う津波の歴史や今後の活動を探る上でも重要な手がかりになる、と研究チームは言っている。

「ちきゅう」による熊野灘掘削は、日米中心に24カ国が参加する統合国際深海掘削計画(IODP)の一つとして行われている。今回の発見は、2007年9月から08年2月まで実施された第一次掘削調査で得られた削試料の分析からもたらされた。

得られた堆積物に含まれる鉱物組成、それらに含まれるナノプランクトンなどの化石さらに堆積残留磁気の測定による年代測定などから、断層の活動歴史を正確に絞り込むことができた。その結果、断層活動は195万年前の海溝(南海トラフ)近くの断層に始まり、155万年前から隆起を伴いながら活発に活動し、地震・津波発生断層として機能し始めたのはこの時以降と推察された。124万年前以降、断層は海底に近いところでより分岐し、現在に至っていることも明らかになった。

第一次掘削調査には、木村学・東京大学大学院理学系研究科教授(共同首席研究者)、海洋研究開発機構南海掘削研究チームの研究者ら6カ国、16人の科学者が乗り込んだ。

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