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2,700億円研究基金の配分手順決定 総合科学技術会議が主導

2009.06.22

 2,700億円の基金を使ったこれまでにない全く新しい研究支援の仕組み「最先端研究開発支援プログラム」の選定スケジュールなどが明らかになった。19日の総合科学技術会議本会議で決定した。

 最先端研究開発支援プログラムは、研究者の能力を研究開発のために最大限発揮できるよう、サポートチームを結成することで研究者が研究に専念できる体制を確立するとともに、研究者にとって自由度の高い多年度にわたる研究資金を確保する。中心研究者は、最先端研究開発支援会議で決定するが、今回そのメンバーも明らかになった。

 支援会議は、首相が座長となり、科学技術政策担当相が座長代理、構成員としては、相澤益男・総合科学技術会議議員、榊原定征・総合科学技術会議議員(東レ代表取締役社長)、國井秀子・リコーソフトウェア取締役会長、小林誠・日本学術振興会理事・学術システム研究センター所長、佐々木毅・学習院大学教授、白井克彦・早稲田大学総長、竹中登一・アステラス製薬代表取締役、千野境子・産経新聞社論説委員・特別記者、長谷川眞理子・総合研究大学院大学教授、松井孝典・千葉工業大学惑星探査研究センター所長、渡辺捷昭・トヨタ自動車代表取締役社長が就任。

 内閣府は、早ければ今月中に第1回目の最先端研究開発支援会議を開催して、公募と選定の基本方針を決定し、中心研究者と研究課題の公募を開始する。公募期間は約1カ月。また、中心研究者、研究課題の選定を迅速かつ円滑に行うため、支援会議の下にワーキングチームを設け、応募された中心研究者、研究課題から候補として60課題程度を選定し、支援会議に報告する(7月下旬から8月中旬以降)。またワーキングチームでは公募締め切り前に、日本学術会議、経団連、関係府省などからヒアリングを行い、選定に役立てる。支援会議は、8月下旬以降、2回目の会議を開き、候補の中から30課題程度に絞り込んだ中心研究者・研究課題案を決定し、総合科学技術会議に報告、8月下旬の総合科学技術会議本会議で正式決定する。

 次のステップとして、選定された中心研究者、研究課題について、内閣府は研究本体および研究管理を行うための適切な支援を行う機関あるいは機関合同チームの候補を公募する。中心研究者は、応募してきた研究支援担当機関候補の中から複数の研究支援担当機関候補を指名する。指名された研究支援担当機関候補は、目標とする研究成果、予算総額、予算の年次計画などの詳細な研究計画を策定し、内閣府を通じて中心研究者に提出し、中心研究者が研究支援担当機関を最終的に指名する。

 こうしたプロセスを経て、総合科学技術会議が文部科学相に意見具申を行い、文部科学相は日本学術振興会に伝達し、日本学術振興会が各研究支援担当機関に必要な研究費を助成する。総合科学技術会議は、毎年、研究支援担当機関から研究の進捗状況を、日本学術振興会からは基金の管理状況などについて聴取するとともに、中心研究者からは3年後に研究状況を聴取し、必要があれば改善を要求することになる。

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