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海中での長距離水平通信実験に成功

2009年6月16日

海洋開発を進める上で難題の一つになっていた水平方向での長距離水中音響通信を精度よく可能にする実証実験に、海洋研究開発機構の研究チームが成功した。

志村拓也・技術研究主任らが用いた手法は、位相共役通信と呼ばれるもので、時間を反転した信号を発信するところがポイント。録画したビデオ映像を逆再生すると時間が反転した映像が見られるのに似た、音響の時間反転信号を利用することで、反射波や屈折波など邪魔になる信号を巧みに消してしまうことができる。

実証実験では、伊豆小笠原海域で海洋調査船「かいよう」から4,000メートルの深さに送信装置を降ろし、300キロ離れた受波器アレイに向けて水平方向に信号を発信した。通常では数百キロ離れると海底や海面で反射する波や、海洋中が一様でないために屈折して来る波が相手に届けたい直接波に重なって受信され、データの区別がつかなくなってしまう問題があった。

しかし、実験の結果、反射波や屈折波が集まって元の波面が再現される形となり、容易にデータの識別ができ、精度よい通信が可能になることが確かめられた。

将来、海洋探査などで活躍する自律型無人探査機のリモートコントロールにこの通信法を利用できるようさらに遠距離での通信試験を進めたい、と海洋研究開発機構は言っている。

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