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麺の材料に適したコメの新品種誕生

2008.12.11

 国産のコメより粘りが少ない新品種を育成することに、農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センター北陸研究センターが成功した。

 カロリーベースで40%と先進国中、著しく低い食料自給率を上げる一手段として、米粉利用の拡大に期待が高まっている。このための大きな問題点として、コシヒカリなど味のよい国産米は麺にすると表面の粘りが強く麺離れが悪いという欠点があった。粘りを強くしている原因は、国産米にアミロースがあまり含まれていないためだ。

 北陸研究センターは、国産品種の「キヌヒカリ」にインド原産の在来種「Surjamukhi」の持つ高アミロース性を導入することで新品種「越のかおり」を育成した。「越のかおり」は、タンパク含有率は約6%と「コシヒカリ」とほとんど変わらないが、アミロースをコシヒカリに比べほぼ倍に近い33.1%含み、粘り気はぐっと落ちる。2004年から06年にかけての栽培で、収量性は、標準的な標肥区では「コシヒカリ」よりやや落ちるが、施肥が多い場合では「コシヒカリ」並であることが確かめられた。

 北陸研究センターと、株式会社自然芋そば、上越市、えちご上越農業協同組合は共同で「越のかおり」の製麺適性を検討し、自然芋そば社から「越のかおり」を原料とする米麺の販売を開始した。「麺はコシが強く、切れにくく、コメ本来の味が活かされている」と北陸研究センターは言っている。

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