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毒性元素含まない鉄系超電導物質発見

掲載日:2008年11月6日

鉄系で毒性元素を含まない新しい超電導物質を物質・材料研究機構の研究チームが発見した。まだ超電導になる温度は10K(零下263℃)と低いが、毒性の高い元素を含まない長所を持つことから新たな超電導材の開発につながる成果と期待されている。

超電導材としては、金属系や銅酸化物系の材料の開発が先行しているが、これに続く第3の超電導材になると期待される鉄系の超電導物質が、細野秀雄・東京工業大学教授らによって開発され、内外で多くの研究チームがこの分野に参入している。これまでの研究では、この鉄系超電導物質は、鉄とヒ素がつくる構造に超電導物質になる鍵があるとみられている。

物質・材料研究機構超伝導材料センターの高野義彦 グループリーダーらが着目したのは、鉄-ヒ素構造の代わりに鉄-テルルを主成分とする物質。そのままでは超電導体にはならないが、テルルの一部を硫黄に置き換え、結晶格子を縮めたところ、10Kで、超電導状態を示すことが確かめられた。

これまでの鉄系超電導物質に含まれていたヒ素あるいはセレンといった毒性の強い元素を含まないため、鉄系超電導材の開発を促進することが期待できる、と研究チームは言っている。

この成果は。科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業の一環として得られた。

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