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ソニーと慶應義塾大学が人材育成で協働プロジェクト

2008.11.05

 ソニーと慶應義塾大学は、人材育成で密接に協力していくことで合意した。ソニーが慶應義塾大学に大学院修士課程、博士課程の学生を対象にした寄付講座を設置するほか、慶應義塾大学の留学生を含む大学院生を対象に、3カ月から1年のインターンシップをソニーで行うことなどが含まれている。

 寄付講座では、企業における経験に基づいた教育を行い、学生が専門性を高め、社会的な問題を解決することができる高い能力と判断力を身につけることを目指す。2009年4月に大学院理工学研究科に「イノベーション創出戦略マネジメント」講座を開講する予定。将来は、慶應義塾大学教員とソニー技術者の交流も行い、研究者、技術者としてそれぞれ多様な経験を積み、さらなる成長を図ることも目指す。

 インターンシップは、学生の研究環境の拡大や、産業界に精通した人材育成が狙いで、大学は単位を認定する予定だ。

 さらに、ソニーが家庭用ゲーム機「プレイステーション3」150台を提供、家電製品への応用の可能性について共同研究も実施する。

 国内の大学は、工学系へ進学する学生数の減少や、大学院博士課程修了者の就職難といういわゆるポスドク問題で悩んでいる。ポスドク問題の解決には学会や大学でいろいろな試みがなされているが、数学の博士課程在籍者を一定期間、企業にインターンシップさせて効果を挙げている九州大学の例(2008年5月23日ハイライト・中尾充宏 ・九州大学 産業技術数理研究センター長「数学者が産業界で活躍するルート開拓」参照)などがある一方、学生側にアカデミズム志向が強すぎるといった産業界からの不満の声も根強い。

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