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赤外光で光合成するクロロフィル地球全域に存在

掲載日:2008年8月4日

近赤外光を利用して光合成する生物が地球上に広く分布していることを海洋研究開発機構と京都大学の研究チームが明らかにした。地球温暖化に大きな影響を与える炭素循環を考える上でも重要な研究成果と見られている。

植物やプランクトンは太陽光を吸収して二酸化炭素(CO2)と水から有機物を合成する。光合成する際、光エネルギーを吸収する役割を担うのがクロロフィルと呼ばれる化学物質。発見された順にa.b.c.dの4種類あるが、先に見つかっていたa.b.cの3種類が可視光を吸収するのに対し、クロロフィルdだけは、近赤外光を吸収して光合成に利用していることが分かっている。1996年、今回の共同研究者である宮下英明・京都大学准教授が珊瑚礁域に生息するホヤに共生するシアノバクテリアの1種Acaryochloris marinaに存在することを初めて報告した。

今回、研究チームが北極海、ベーリング海、内浦湾、大槌湾、相模湾、東京湾という極域から温帯にかけての海底堆積物と、琵琶湖さらに南極の塩湖、淡水湖の堆積物を調べたところ、すべての堆積物から、クロロフィルdとその分解生成物が見つかった。

クロロフィルdおよび分解生成物の濃度は、クロロフィルaに比べると最大で4%程度にしかすぎないが、今後、クロロフィルdが、炭素循環にどの程度寄与しているのかなど、地球環境変動に果たす役割について調べたいと、研究チームは言っている。

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