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麦類の遺伝子地図統合データベース公開

2008.07.02

 遺伝情報の整理・統合が遅れていた小麦、大麦の遺伝子地図を統合した世界初のデータベースを理化学研究所が作り上げ、1日、公開した。

 小麦と大麦は、イネ、トウモロコシとともに4大穀物と言われ、世界の食糧問題解決のためさらなる高品質種をつくりだす研究が急がれている。しかし、イネの約10倍程度と見られているゲノムの大きさが障害となり、全塩基配列の解読や遺伝子のゲノム上の位置を遺伝学的手法で網羅的に決めることが遅れていた。

 理化学研究所植物科学研究センターの持田恵一特別研究員らは、岡山大学資源生物科学研究所を含む日本、米国、英国、ドイツの4機関が公表している大麦、小麦の遺伝子地図情報を収集し、統一データベース化した。植物ゲノム研究で広く用いられている米国のデータベースも再検索し、さらに遺伝子解析などが進んでいるイネゲノム情報との対応づけも行った。

 公開されたデータベースを利用することで、大麦の遺伝子地図同士、大麦と小麦の遺伝子地図同士だけでなく、麦類とイネゲノムの構造類似性の比較や、イネゲノム情報の麦研究への効果的な活用が可能となる、と理化学研究所は言っている。

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