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生物多様性基本法が成立

2008.05.29

 生物多様性基本法が28日の参院本会議で出席議員全員の賛成により可決、成立した。

 法律は、生物の多様性の保全と持続可能な利用について、基本原則を定めることを目的としており、第3章で「生物の多様性が人類の存続の基盤であり、かつ、豊かで潤いのある国民生活に不可欠であることにかんがみ、将来にわたり生物の多様性が確保されるよう、適切かつ持続的に行われなければならない」と理念をうたっている。

 続いて「生物多様性の保全等は、科学的知見の充実の下に生物の多様性を確保する上での支障が未然に防がれることを旨として行われなければならない」と「予防的」な対策の重要性を明記しているのが特徴。「鳥獣保護法」や「種の保存法」「特定外来生物法」など、既に存在する法律では限界のあった生息環境を含めた野生生物の包括的な保全を実現する上で大きな力になると期待される。

 同法成立のための運動を続けてきた世界自然保護基金(WWF)ジャパンは、基本法によりこれまで国が策定してきている生物多様性国家戦略が今後、法定計画としての性格を帯びることを期待するとともに、科学的な知見がそろわない早期の段階で策を講じるという予防的な取り組みや、各自治体に生物多様性地域戦略の策定を促すなど生物多様性保全対策の強化につながることを評価する声明を発表した。

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