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三菱化学生命科学研究所が解散へ

2008.03.25

 生命科学研究で40年近い歴史を持つ三菱化学生命科学研究所が、再来年3月末で解散することが決まった。

 同研究所は、1971年ライフサイエンスの基礎研究を目的に三菱化成生命科学研究所として発足した。初代所長は日本学術会議会長などを務めた江上不二男氏だった。94年に三菱化成が三菱油化と合併し、三菱化学となったのを機に三菱化学生命科学研究所と名称が変わったが、発足以来、企業が100%出資するライフサイエンスの基礎研究所として多くの成果を挙げている。特に、当初から生命現象の基礎研究だけでなく、環境や生命倫理も研究対象に含めるなどユニークな研究方針は、社会的にも大きな影響を与えた。

 解散の理由について三菱化学は、「生命研を取り巻く環境は、設立当初とは大きく変わり、現在では、大学で生命科学の研究も盛んに行われるようになり、国、民間の同分野にかかわる研究所も多数設立されている」ことと、三菱グループの医薬事業の発展で、創薬にかかわる研究も質・規模ともに大きく変化したことを挙げている。

 研究所の在り方については、これまでも研究所内で何度も見直しが行われた経緯があり、2004年からは、「疾病治療の進歩に役立つ基礎研究」を新たな使命に掲げ、研究所内外から公募により採用された研究リーダーと研究テーマを軸とする新たな研究体制をスタートさせていた。

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