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CO2濃度連続測定可能なレーザセンサ

2008.01.31

 昼夜にかかわらず大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を測定できるセンサを情報通信研究機構が開発した。最重要な国際的課題の一つとなっているCO2の排出削減を効果的に進めるには、国別の排出量や海洋や森林における吸収量を正確に把握することが不可欠になると見られている。新しく開発されたセンサは、将来、衛星などに搭載してCO2の濃度を正確に測定するリモートセンシング技術につながる成果と期待されている。

 新しく開発されたセンサは、レーザーダイオード励起伝導冷却型と呼ばれる個体レーザを用い、狭帯域の受光システムを持つことから、背景の光雑音、電気的雑音を排除することが可能。また現在、開発が進められている衛星搭載用センサのように太陽光など他の光源を必要としない特徴を持っている。この結果、水平方向や鉛直方向にレーザを出し昼夜を問わない連続計測が可能となった。

 情報通信研究機構は、すでにこの装置による高度1.5キロまでのCO2濃度分布と、水平方向1.6キロまでの地上濃度分布、日変化を計測することに成功している。今後、精度の向上と航空機搭載システムの研究開発を進め、衛星からのリモートセンシング技術の実現を目指すとしている。

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