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東シベリア永久凍土の融解進む

2008.01.21

ヤクーツク付近の森林(カラマツが褐色しているのは地面が冠水しているためと見られる)
(提供:海洋研究開発機構)

 東シベリアの永久凍土の融解がこの数年で急激に進んでいることが、海洋研究開発機構の調査で明らかになった。

 同機構が、1997年以来、現地研究機関などと協力し、シベリア東部で降水、地中温度などを観測、ロシア連邦水文気象環境監視局の持つ70年以来の観測データと比較した。

 この結果、ベルホヤンスク、ポコロフスク、トモットの地下3.2メートルの温度平均値は97年以来、零下2度程度ないしそれ以下で推移していたのが、2004年から上がり続け、06年に最高値(零下1度と2度の中間)を記録した。

 また、夏に解ける凍土の表面からの深さ(活動層)も、これまで1.0〜1.5メートルだったのが04年以降急激に厚くなり、06年には2メートルを超える深さにまで達したとみられている。

 昨年、発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次報告書によると、北極地域の気温はこの25年で地球平均の2倍近く上昇した。温暖化による北極地域の気温上昇に加え、それに伴って、03〜06年にかけて降水量が急激に増加したこと、さらに05〜07年間の積雪が大きかったことが地中温度の上昇とそれに伴う凍土融解の急激な進行をもたらした、と海洋研究開発機構はみている。

 冬季の厚い積雪は、夏季に暖められた地中の熱が放出されるのを抑え、夏の降水増は、土壌の水分量を増やし、地中へ熱が入り込みやすくすると考えられている。

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