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アレルギーの原因タンパク発見

2007.12.03

 日本人の約3割もの人々を悩ましているアレルギーに、STIM1と呼ばれるタンパクが重要な働きをしていることを、理化学研究所の研究チームが突き止めた。

 分化制御研究グループの黒崎知博グループディレクターと馬場義裕・研究員らは、このタンパクの働きを抑えることで、アレルギー反応も抑えられることをマウスによる実験で確かめた。このタンパクを標的にすることにより、新しいアレルギー治療法の開発につなげることが期待できる、と研究チームは言っている。

 花粉症、アレルギー喘(ぜん)息や食物アレルギーなどさまざまなアレルギーには、のどや鼻、腸管などの粘膜表面にある肥満細胞がかかわっている。抗原が体内に入ってくると、肥満細胞表面から化学物質を大量に含んだ顆(けん)粒を放出、あるいは炎症性サイトカインと呼ばれるタンパクをつくりだして、発赤、かゆみ、平滑筋の収縮といったアレルギー炎症反応を引き起こすからだ。

 こうした肥満細胞の活性化の引き金役をするのがカルシウムであることも分かっていたが、研究チームは、カルシウムを細胞外から細胞内へ引き込む役割をSTIM1が果たしていることを初めて明らかにした。

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