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重イオン照射で黄色い花咲くサクラの新品種

2007.11.01

仁科蔵王
黄色いサクラ誕生(提供:理化学研究所) (提供:理化学研究所)

 理化学研究所仁科加速器研究センターの研究者たちが、淡い黄色の花を咲かせるサクラの新品種を重イオン照射法によって作り出すことに成功した。理研加速器の父である仁科芳雄と育種をした場所の山形県にちなみ「仁科蔵王」と名付けられた。既に品種登録もすんでおり、来年9月に花苗の販売を予定している。

 理研生物照射チームの阿部知子副チームリーダーとJFC石井農場、石井重久氏は、緑色の花が咲くサクラの品種「御衣黄(ぎょいこう)」の枝に、理研リングサイクロトロンから発生する炭素の重イオンビームを照射、この枝を病気に強い青葉桜の台木に接木し、栽培した。

 開花した花弁は、最も黄色いサクラといわれる鬱金桜(うこんざくら)に近く、淡黄ピンクのふちに明黄緑色の筋が入り、咲き始めは淡黄緑色で、終わりごろに淡黄ピンクが広がる。花の大きさは、元品種の御衣黄が3センチ程度であるのに対し、4〜5センチ弱と、大輪と言われる鬱金桜よりやや大きくなった。

 ソメイヨシノより少し遅れて開花するが、つぼみは特に黄色いので、淡いピンクのソメイヨシノと混植すればその違いが引き立つという。

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