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原発の損傷予想より小さい IAEAが調査結果発表

2007.08.16

 新潟県中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原子力発電所の損傷は予想より小さく、原子炉は安全に運転停止した、と国際原子力機関(IAEA)が16日発表した。

 IAEAは日本政府の要請に応じ、6人の専門家チームを派遣、3日間、現地で原子力発電所7基の損傷や、事故時の記録などを調べた。その結果、原子力発電所の安全機能は、事故時に求められていた通りに働き、放出された放射能の量も公衆の健康や環境に影響を及ぼさない安全基準以下だったという日本の当局の判断を裏付けるものだった、と結論づけた。地震による損傷も、安全にかかわる原子炉やシステムに影響を与えない個所に限られているように見える、としている。

 地震の規模は原子力発電所の設計で想定していたものよりはるかに上回るものだった。しかし、強度に余裕をもたせた設計になっていたことが、損傷が予想より小さかった理由とIAEAの調査チームは見ている。同時に、原子力発電所に対する地震の影響を正確に理解するためには、さらなる技術的な分析が必要だ、と指摘した。

 IAEAのエルバラダイ事務局長は、「調査チームに対する日本の当局の協力と透明性を歓迎する」と述べるとともに「調査結果と日本側の分析は、世界中の原子力発電所にとっても適切な教訓を含んでいる」と語った。

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