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大量の物質に埋もれたブラックホール発見

掲載日:2007年8月1日

「はちぶんぎ(八分儀)」座方向に見つかった
ブラックホール周囲の想像図
(提供:宇宙航空研究開発機構)

大量の物資に埋もれているため、光がほとんど外に出ない新しいタイプの巨大ブラックホールを日米の研究チームが見つけた。

銀河の中には中心から太陽の100億倍から100兆倍もの莫大なエネルギーを放射しているものが見つかっており、こうした「活動銀河核」の正体は太陽の100万倍から10億倍の質量をもつ巨大ブラックホールといわれている。今回見つかったブラックホールは従来のものと全く異なり、普通の銀河とみなされていた中にある。同じタイプのブラックホールが宇宙にたくさん存在することをうかがわせる発見だ、と研究チームは言っている。

上田佳宏・京都大学大学院理学研究科准教授らの研究グループは愛媛大学、米航空宇宙局(NASA)と協力し、まず、NASAのX線天文衛星「スウィフト」が発見した2つの硬X線(エネルギーの高いX線)源に着目した。これらの硬X線源は、「はちぶんぎ(八分儀)」座と「ほうおう(鳳凰)」座の方向、地球から約8千万光年、3億5千万光年の距離にある。

上田准教授らが宇宙航空研究開発機構のX線天文衛星「すざく」による観測データも解析したところ、これらのX線はいずれも可視光で観測すると活動的には見えない普通の銀河の中心部から出ていることが分かった。「すざく」は0.2から70キロ電子ボルトという広いエネルギー範囲で高精度のX線データを得られる強みを持つ。10キロ電子ボルト以上の硬X線の強度がきわだって強いのに対し、低エネルギーのX線強度はずっと弱いことも分かり、これが過去の観測でブラックホールの存在が見逃されていた理由だった。

これらの結果から、これらのブラックホールは、周囲を大量の物質で取り囲まれているため、エネルギーが高く透過力の強いX線だけが大量の物質の壁をくぐりぬけることができる、と上田准教授らは説明している。

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