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国際的な論文誌育成、税制面での寄付優遇制度訴え

2007.07.05

 欧米主要国に比べ明らかに見劣りするといわれる学協会の改革と機能強化をテーマとするシンポジウムが4日開かれ、「国際的地位の向上や社会への貢献を強く意識する」ことの必要などをうたった実行委員会声明を発表した。

 このシンポジウムは、日本学術会議、日本学術振興会、科学技術振興機構の共催で開かれたが、社会や政策に対する日本の学界の発言力、影響力の小さいことに対する日本学術会議の危機意識が、シンポジウム開催の大きな動機になっている。

 黒川清・内閣特別顧問(日本学術会議前会長)を委員長とする特別シンポジウム実行委員会起草による声明では、まず「学協会は社会の公器として責任を自覚し、社会とのコミュニケーション、技術者の能力開発、学術情報発信の強化など広がりのある活動が期待されている」と学協会関係者の注意を喚起している。

 具体的に急がれている課題としては、「国際的な学術情報発信力の強化」を挙げた。「日本が相対的に高い地位を確保できている主要学問分野では、世界中の研究者が購読せざるをえない論文誌を最低1誌、政策的に育成すべきである」として、論文誌の質の向上と販路の拡大を学協会側に、また国内誌が育つ環境作りを国にそれぞれ求めている。

 国への要望としては、現在、進行中の公益法人制度改革に関連し、学協会の事務局、財政基盤確立のため「税制面での寄付優遇制度」と「学協会が推進する公益目的事業への税制面での優遇措置」を挙げている。

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