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自閉症に関連の遺伝子異常発見

掲載日:2007年3月24日

対人関係や言語によるコミュニケーションがうまくできない自閉症患者に特有な遺伝子異常を、理化学研究所脳科学総合研究センターの古市貞一チームリーダー、定方哲史研究員らと、東京都立梅ヶ丘病院の共同研究チームが突き止めた。

研究チームは、分泌関連分子であるCADPS2(キャドプスツー)遺伝子に着目した。この遺伝子を持たないマウスを作り出し調べたところ、神経回路形成や記憶・学習機能を調節する脳由来神経栄養因子の分泌が、著しく減少していることを発見した。また、これらのマウスの行動を詳しく観察したところ、自閉症に見られる特徴をもった行動異常を示すこともわかった。

さらに一部の自閉症患者は、このCADPS2遺伝子からつくりだされるCADPS2タンパク質のアミノ酸配列に変異があるケースも検出しました。欠損型CADPS2タンパク質は、神経軸索へ輸送されないことも示され、この結果、脳由来神経栄養因子の局所的分泌が異常になり、これが神経ネットワークの形成異常につながる可能性を示唆していた。

自閉症は千人当たり1人以上の割合で発症し、根本的な治療法はない。早期に自閉症を診断し、教育や対症的薬物治療などを早めに施すことを可能にするほか、将来的には神経回路形成や記憶・学習機能を調節する脳由来神経栄養因子の正常な分泌を促する薬の開発にもつながる成果、と期待されている。

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