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農業者大学校の抜本的見直し案報告

2006.10.11

 恒常的な定員割れから廃止を勧告されたこともある農業者大学校のあり方を検討してきた農業・食品産業技術総合研究機構の委員会が、農業以外の分野から関心を持つ人々も対象とする新しい大学校像をまとめ、10日公表した。

 現在の農業者大学校は、「1年の農業実務経験のある高校卒で、30歳未満」に入学資格を限っている。報告書は「4年生大学卒程度の理解力、判断力ないし、これに準じる農業技術・知識を有するが、学歴は不問。40歳未満」と、入学資格者の範囲を広げるとともに、農業の持つ多面的な機能に対する関心の高まりなど、新しい社会の要請に十分こたえることのできる研修内容の高度化も求めている。

 また、現在3年の修業期間については、2年制の本科と1年制の専修科を設け、さらに単位制を導入するなど、短縮化、多様化という要請にこたえ、多様な経歴を持つ学生にも配慮したカリキュラムを提言している。

 農業者大学校は、1968年に東京都多摩市に開校した。その後、ほとんどの道府県に設けられた農業大学校(2年制)との役割の違いが不明確、さらに多くの農業大学校同様、最近は定員割れが常態化していることなどの理由から、ことし4月に農業・食品産業技術総合研究機構に統合された。

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