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詳報 ノーベル賞 ニュートリノ振動の発見 - 微小な質量の巨大なインパクト

掲載日:2015年12月2日

微小な質量の巨大なインパクト
  • 東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章博士がニュートリノの研究でノーベル物理学賞を受賞する。原子核の反応で生じるニュートリノは幽霊のような素粒子だ。物質を構成する粒子グループに属するが、他の物質粒子とほとんど相互作用しない。そのため、人体でも岩石でも果ては天体でも素通りする。また他の物質粒子は質量を持つが、ニュートリノは1950年代、原子炉を用いた米国での実験で初検出されて以来、様々な実験によっても質量が確認できなかった。標準モデルではニュートリノの質量はゼロであるとして理論が構築されていた。その常識が覆ったのが1998年のこと。飛騨山中の神岡鉱山にある東京大学宇宙線研究所の実験施設スーパーカミオカンデが1996年に稼働、自然界のニュートリノを約2年間観測した結果、ニュートリノが質量を持つことで起こる「ニュートリノ振動」という現象が捉えられた。梶田博士はこのニュートリノ振動の発見で中心的な役割を果たした。

 

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