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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

毒ガスも使いよう

掲載日:2010年5月24日

日経サイエンス6月号 脳の見えざる活動
  • 山間の温泉などを訪ねると、ぷんと硫黄の匂いがすることがある。「硫黄」とは正しくは硫化水素ガスのことだ。温泉につかって匂いをかぐくらいならよいが、濃いガスを吸い込むと死に至る。自殺目的で硫化水素を発生させ、助けようとした家族が巻き込まれる事件も起きている。れっきとした毒ガスだが、その硫化水素が人体で微量ながらも合成され、血管を弛緩させて血圧を下げたり、脳での記憶の増強や細胞の保護などに一役買っていることがわかってきた。最近では、そうした作用の仕組みが分子レベルで詳しくわかるようになり、心臓病などの治療に役立てようという動きが出てきている。毒ガスを救命ガスに使おうというというアイデアだ。

 

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