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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

情報も伝える燃料

掲載日:2010年2月16日

日経サイエンス3月号 地球を明るくする
  • 高校で生物を学んだ人ならATP(アデノシン三リン酸)は生体内のさまざまな活動で使われるエネルギー源、いわば生物を動かす“燃料”だと習ったことだろう。だが、あまり知られていないが、ATPにはもう1つ大事な役割がある。細胞から細胞へと生体情報を伝えていることだ。著者の1人(バーンストック)は50年ほど前、そのことを指摘したが、多くの研究者から疑いの目で見られた。ところが1990年代、分子生物学的な解析手法が発達してくると、ATPの神経伝達物質としての驚くべき作用が次々に明らかになった。筋肉の制御や傷口の修復のほか味や音、痛みなど感覚にも関係している。こうした知見をもとにした新薬の開発も進み始めた。

 

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