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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

古代ギリシャには天文計算機があった

掲載日:2010年2月3日

日経サイエンス3月号 地球を明るくする
  • 約100年前、エーゲ海の小島アンティキテラ島沖の海底で約2000年前に沈んだローマの商船が発見された。船はギリシャの財宝を積んでおり、珍しいブロンズ製品や素晴らしいガラス器、美しい壺、宝石類などが引き上げられた。その中に電話帳くらいの大きさの石灰化した塊があったが注目されなかった。ところが回収から数カ月後、この塊が何かの拍子に割れ、腐食したブロンズ製歯車の残骸が現れた。歯の高さはわずか1.5mmで、すべての歯車がサンドイッチのように重なっている。系統的な目盛りやギリシャ文字が刻まれたプレートも現れた。

    この発見は衝撃だった。そのときまで、当時の文明世界で作られた歯車はほんの大雑把な機械装置に使われただけだと考えられていたからだ。何十年に及ぶ調査の結果、この装置が天文計算に使われたらしいことはわかったものの、計算メカニズムなどは謎のままだった。約10年前、歴史家や天文学者、撮像の専門家などからなる国際チームが組織され、最新技術による分析がなされた結果、この古代の計算機の驚くべき全貌が浮かび上がった。

 

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