マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

ガソリンを雑草や間伐材から作る

掲載日:2009年9月1日

日経サイエンス10月号 存在確率マイナス1
  • 大地に緑をもたらす植物は光合成の際、大気から二酸化炭素(CO2)を取り込み、燃えたり腐って分解するときにCO2を出す。植物は大気中のCO2を地表に一時貯蔵するタンクとも言える。とすると、植物から燃料を作れば、燃える際に出るCO2は、もとは大気中にあったものだから、CO2収支はプラス・マイナスゼロ。一方、石油や石炭を燃やして出るCO2は大気にとって“純増”になる。

    それなら石油より植物から作った燃料を使った方がよいということで、バイオ燃料の製造が盛んになってきた。最大の問題は原料だ。現在、トウモロコシの実や大豆、サトウキビから作られているが、これらは私たちの食べ物で、家畜飼料にもなっている。望ましいのは、利用価値が低い雑草や間伐材、人間や家畜が食べ物としないトウモロコシの茎やサトウキビの絞りかす、稲わらなどを原料に、高効率で(あまりエネルギーを投入せずに)安価に燃料を作ること。そのための技術開発に世界各国がしのぎを削っている。

    製造法は何種類も知られていて、経済性に優れた製造技術もすでに見つかっているという。日本でも小規模ながら商業生産が始まっており、そうした現状もあわせて紹介する。

 

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