マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

IBM天才技術者が挑むメモリー

掲載日:2009年8月21日

日経サイエンス9月号 かぐやが明かす月の素顔
  • ハードディスクドライブ(HDD)という言葉はかなり知られるようになった。かつてはもっぱらパソコンの内部メモリーとして使われていたが、今やビデオカメラやビデオレコーダーでHDD内蔵をうたう製品が広く出回る。

    HDDは高速回転する磁気ディスク上に磁気ヘッドを使ってデータを書き込み読み出す。大量のデータを電力なしで保存できるが、半導体メモリーより動作速度が遅い。高速回転するディスクに磁気ヘッドがぶつかって壊れる(クラッシュする)こともある。そこでHDDのように記憶保持に電源不要でありながら高速動作しクラッシュの恐れがない新型メモリーの開発に電機メーカーはしのぎを削っている。

    そうした夢のメモリーの1つがレーストラックメモリー。極細ワイヤの磁化の形で情報を記録、その磁気の状態をワイヤ上で自由に移動させて、固定磁気ヘッドで読み取り書き込みをする。ヘッドもワイヤも動かないのでクラッシュの心配がなく動作も高速だ。

    発明者は米IBMのパーキン氏。HDDの記録密度の飛躍的向上に道を開いた天才技術者で「フェロー」という同社技術職の最高ポストにある。その氏自ら、レーストラックメモリーの仕組みや魅力について解説している。

 

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