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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

かぐやが語った月世界

掲載日:2009年7月24日

日経サイエンス9月号 かぐやが明かす月の素顔
  • 日本最古の物語、竹取物語の主人公にちなんで名付けられた探査機「かぐや」。月上空の高度100kmに約600日とどまり、月面をつぶさに調べた。竹取の翁(おきな)と嫗(おうな)から名前を取った子衛星「おきな」「おうな」もかぐやの仕事を助けた。

    今年2月、使命を終えたおきなが月の裏側に落下、そして6月、かぐやにも最期の時が来た。6月11日未明、宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスのかぐや管制室には多数の関係者が詰め、最後の指令がかぐやに送られた。

    そのとき、かぐやは近月点(最も月に近づく点)高度が6kmという月周回軌道上にあったが、残存燃料を使って2分20秒間逆噴射し、速度を落とした結果、近月点の高度が-4kmへと変更され、月との衝突コースに乗った。午前3時25分、かぐやは月の表側にあるクレーターの斜面にほぼ水平方向から突っ込んだ。おうなはまだ月を周回しているが、役目を終えたため、6月末に地球との交信が絶たれた。

    かぐやによる月探査は「アポロ計画以来」ともいわれる大がかりなものだった。観測装置のごく一部にトラブルがあったが、全体的に見れば当初計画を上回る質と量のデータが得られた。

    かぐやが成し遂げたことを一言で言えば、月の裏側とはどんなところか明らかにしたことだ。月は自転周期と公転周期が同じなので、地球からは表側は見えても、裏側は見ることができない。そしてこれまでの月探査でも、裏側については詳しい地形や重力の様子などはわかっていなかった。それがかぐやによって、すべてが見えるようになった。南北両極域についても同じようなことが言える。では、それでどんな新発見があったのか? かぐやによる月探査計画の科学部門のリーダーであるJAXAの加藤學教授が紹介する。

 

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