サイエンスポータル SciencePortal

マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

ナノマシンが細菌のように動いた

掲載日:2009年7月2日

日経サイエンス8月号 実用間近に迫ったiPS細胞
  • 虫眼鏡でも見えないほど小さな機械、ナノマシンの開発が進み、フラーレン(サッカーボール状炭素分子)をタイヤとする分子サイズの車さえできるようになった。しかし、その車には今のところエンジンが積まれていない。分子サイズの車の場合、エンジンはそれより小さくしなければならないが、物質を構成するのは原子や分子だから、現在の自動車エンジンのようなものを分子サイズで作ることは原理的に不可能。ナノマシンのエンジンにはまったく新たな発想が求められる。

    動かすだけなら簡単だ。ナノマシンを液体中に入れれば、液体分子と衝突を繰り返すことで、でたらめな動きをする。ブラウン運動だ。実はブラウン運動をうまく利用して微生物は動いたりしている。ナノマシンにこの“生物の知恵”を生かそうという試みがある。

    もう1つ、これも生物をまねたアイデアがある。化学反応で生み出すエネルギーの活用だ。カプセル状ナノマシンの表面で電気化学反応を起こさせることで、周囲に一定方向の液体の流れを生み出す。するとナノマシンはその液流とは反対の方向に動くようになる。著者らが試作したそのナノマシンの動きを顕微鏡で観察すると、細菌が遊泳する姿と驚くほど似ていた。

 

ページトップへ