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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

翼が先か、耳が先か

掲載日:2009年4月14日

日経サイエンス5月号 土星の月で発見 巨大噴泉の謎
  • 私たち人類も属する哺乳類の中で、種数にして20%を占める大勢力を誇り、しかも哺乳類の中で唯一、大空を飛べる動物は何でしょう? 答えはコウモリ。コウモリはもう1つ、他の哺乳類にはあまり見られないない能力を持っている。自分の出す超音波の反射を聞いて、障害物や餌を“見る”「エコーロケーション」という能力だ。

    コウモリは、この2つの能力によって、ライバルとなる動物が入り込めない世界、つまり「夜」の「大空」で活動できるようになり、それゆえに他の哺乳類と比べて多様な進化を遂げ、種数が増えたとみられている。

    このコウモリの進化で最大の謎も、この2つの能力にからんだものだ。コウモリの祖先は、いったいどちらを先に獲得したのだろう? それともほぼ同時に獲得したのだろうか?

    ] 著者らが報告した約5000万年前のコウモリ化石は、この謎に答えてくれた。この化石コウモリ「オニコニクテリス」は、現在のコウモリのような連続的なはばたきはできず、滑空しながらたまにはばたいていたと推測されたが、エコーロケーションに必要な耳骨の特徴を備えていなかった。

 

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