マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

ロケットの次世代は「プラズマ」

掲載日:2009年4月6日

日経サイエンス5月号 土星の月で発見 巨大噴泉の謎
  • 巨大な炎を噴射して天に昇るロケットやスペースシャトルの風景はテレビでよく放送される。だから木星や土星など遠くの惑星に行く探査機は、宇宙空間でも、さぞや盛大に炎を噴かせて飛んでいるのではないかと想像されるかもしれない。だが、実際はそうではない。私たちにおなじみなのは化学燃料を燃やして推力を得る化学ロケットだが、このタイプは急加速できるものの、わずか数分で搭載燃料を使い果たしてしまう。数年以上に及ぶ飛行時間の99.99…%はエンジンを噴かさない慣性飛行で、しかも最初のロケット噴射だけでは十分な推力を得られないので、月や火星などに立ち寄り、その重力の助けを借りて加速している。

    こうした化学ロケットの欠点を克服する次世代タイプとして注目されているのが電気ロケットだ。推進剤を電離ガス(プラズマ)に変え、電場や磁場で加速、化学ロケットよりも高速で噴射する。同じ量の燃料から生み出す推力には格段の差が出る。各国が競って開発している。日本は探査機「はやぶさ」に高性能電気ロケットを搭載し、小惑星「イトカワ」とのランデブーに成功した。

 

ページトップへ