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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

「ハスの葉」をナノテクで再現

掲載日:2008年10月28日

日経サイエンス11月号 迫り来る水危機
  • いつもピカピカ、めんどうな拭き掃除いらずの窓ガラス、洗濯しないでも清潔さを保てるシャツやズボン。そんなものがあったら、世の中、ずいぶん変わるだろう。そうした私たちの夢をかなえようと、世界の多くの研究者が日々、知恵を絞っている。

    ドイツ・ボン大学の研究者は、いつも清浄なハスの葉をヒントに、汚れが水玉とともに流れ去るような素材を考案した。ハスの葉表面はワックス状の層があって、さらに千分の数mmという微細な突起で覆われている。この2つの要因が合わさって、降ってきた雨は球に近い水玉となって流れ去る。ナノテクノロジーでハスの葉の効果を人工的に発揮できるようにした塗料や繊維用仕上げ剤が世に出ている。

    ハスの葉とは正反対の性質を持つ表面を作る試みもある。そうした表面では、水は表面に薄く広まって水の膜を作る。その膜が流れるときに汚れも流してしまうという作戦だ。酸化チタンという物質がそうした性質を持つことを発見したのは日本の研究者で、現在、窓ガラスなどが製品化されている。

 

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