マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

私たちの頭上でオーロラが舞う日

掲載日:2008年10月2日

日経サイエンス11月号 迫り来る水危機
  • 頭上でギラギラと輝く太陽は常に変わらないように思える。しかし実は11年周期で活動が活発になったり静かになったりしている。

    とはいっても輝き方などが変わるわけではない。太陽を専用の望遠鏡で見ると、「黒点」という暗い斑点があることがわかるが、その黒点の数が11年周期で増減する。黒点が多いときが活動が活発なときで、フレアという太陽表面の爆発と、電離ガス(プラズマ)の巨大な雲が放出されるコロナ質量放出の発生頻度が高まる。これらの現象は「太陽嵐」と呼ばれている。

    太陽嵐のうち地球に影響を与えるのはコロナ質量放出のほうだ。太陽から放出された巨大プラズマ雲は1億5000万kmを2~3日で走破して地球に襲来し、極域でオーロラを輝かせる。そして50年に1度、さらには500年に1度という規模の太陽嵐になると、オーロラの輝きは多くの人が住む中緯度域にまで広がる。

    前回、500年に1度という巨大太陽嵐の襲来は1859年のことだった。米国では東海岸のすべての場所でオーロラが見られ、赤道近くを航行していた船の航海日誌には、真紅の光が天頂の半分の高さにまで達していたと記されている。

    当時、日本は文明開化前の幕末動乱期だったが、産業革命を経た欧米では電信システムが使用不能になった。そして今、軌道上には多くの人工衛星が浮かび、地上には送電網が張り巡らされている。もし同規模の巨大太陽嵐が起きたら、こうしたインフラに大きな影響が及ぶ可能性があるという。

 

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