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マガジン - 日経サイエンス誌ダイジェスト -

超微小質量の巨大インパクト

掲載日:2008年4月8日

日経サイエンス5月号 革命前夜の物理学
  • 盤石だと思われていた素粒子理論の標準モデルに、最初の大きな亀裂が走ったのは1998年のことだった。大ニュースの発信地は日本、しかも東京から遠く離れた飛騨地方の中心都市、岐阜県高山市。その年の6月、素粒子ニュートリノの国際会議が同市で開かれ、ノーベル賞受賞者など世界を代表する200人以上の素粒子研究者が来日した。  その場において、ニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」の研究成果が発表された。発表された解析データには、標準モデルで質量ゼロとされた素粒子ニュートリノに非常にわずかだが質量があることを示す明確な証拠が示されていた。その微小質量の存在は標準モデルに修正を迫り、宇宙誕生直後に超巨大質量の粒子が存在した可能性があることをも物語っていた。  発表終了後、静かに始まった拍手は鳴りやまず、スタンディングオベーションをする研究者も現れた。翌日、ニューヨーク・タイムズなど世界の主要各紙が大きく報じ、米クリントン大統領(当時)は「日本における基礎研究の大成果」と演説した。

 

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