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コラム - インタビュー -

第2回「国が作り、技術を継続する」

理化学研究所 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部 プロジェクトリーダー 渡辺 貞 氏

掲載日:2006年10月31日

「再び世界一のスパコンを目指して」

名実ともに世界一のスーパーコンピュータ作りを目指す国のプロジェクトが動き出した。
「次世代スーパーコンピュータの開発と利用」で、国の第3期科学技術基本計画の中では国が集中的に投資して推進する「国家基幹技術」としても位置づけられている。
開発と運用の主体となる理化学研究所の渡辺 貞(ただし)プロジェクトリーダーに目的や展望を聞いた。

- より高性能なスパコンが必要なのは判りました。でも、どうして国が作らなければならないのでしょう。

渡辺 貞 氏

渡辺 貞 氏

非常に高速なものを開発しようとすると膨大な費用がかかり、一企業ではとてもできません。また開発には先端技術が必要で、民間では投資に対するリターンがすぐに見込めないようなものについてはなかなか手がつけられないでしょう。

いろいろな用途に使えるものを国が研究開発の基盤として整備する以外ないのです。それには国が先導して予算をつけて技術開発する必要があります。

また単に一機作ってお終いというのではダメで継続して行かないとせっかくの技術が保持できません。

従来のスパコン開発は国のプロジェクトではありましたが、筑波大学のCP-PACS、海洋研究開発機構の地球シミュレータといった具合に大学、研究所が自分の計算センターのために開発したものでしたので、継続してそこにだけ予算をつけるというわけにいかなかったのです。

- 次世代スパコンは理化学研究所だけのものではないということですね。

今回は文部科学省が予算をつけ、文科省のプロジェクトとして継続的にやるということが特徴です。

また地球シミュレータはあくまで地殻も含め温暖化など地球環境全般を研究するために開発されました。次世代は最初から汎用のスパコンを目指しているところが大きく違うのです。ある特定のミッションではありません。

ただ、文科省プロジェクトといっても、文科省自体は開発できません。科学者・技術者がいて研究・開発ができる適当な機関ということで理研が選定されたのです。

またできあがったスパコンは大型放射光施設Spring-8のように民間も含めた共用施設として使うことになってもいます。

(参考)
単位の接頭語
K (キロ) 1,000 (103)
(10K)   10.000 (104)
M (メガ) 1,000,000 (106) (百万)
(100M)   100,000,000 (108)
G (ギガ) 1,000,000,000 (109) (十億)
T (テラ) 1,000,000,000,000 (1012)
P (ペタ) 1,000,000,000,000,000 (1015) (1000兆)
(10P)   10,000,000,000,000,000 (1016)
E (エクサ) 1,000,000,000,000,000,000 (1018) (百京)
(100E)   100,000,000,000,000,000,000 (1020) 垓(ガイ)
Z (ゼタ) 1,000,000,000,000,000,000,000 (1021) (十垓)

(続く)
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渡辺 貞 氏

渡辺 貞氏のプロフィール
1968年東京大学大学院修士課程終了。専門は電気工学。68年日本電気入社。82年よりスパコン開発に従事。2003年日本電気ソリューションズ開発研究本部長。05年日本電気退社。06年文部科学省研究振興局研究振興官。06年8月より現職。1998年ACM/IEEEエッカート・モークリー賞受賞。2006年シーモア・クレイ賞受賞。

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