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ベンチャーキャピタルからリスクキャピタルへ(原 丈人 氏 / デフタ・パートナーズ 会長・国連常任監視団 特命全権大使)

2007.04.10

原 丈人 氏 / デフタ・パートナーズ 会長・国連常任監視団 特命全権大使

大学発ベンチャー活性化シンポジウム(2007年4月9日、科学技術振興機構 主催)パネルディスカッションから

 これからはリスクキャピタルが必要だ。新しい基幹産業を創出するような研究開発・製品化に要する期間とキャッシュフローを、それぞれ横軸、縦軸に取ってグラフで示すと、研究開発の初期段階、3〜5年間はキャッシュフロー面のリスクがどんどん大きくなる。

 米国では、1990年代後半からベンチャーキャピタルが、この開発初期段階のリスクを取らなくなってきた。リスクがどんどん増えるこの時期の資金投入は、1、2年で勘弁してくれということだ。(米国の)ベンチャーキャピタルは死んだ、といえる。

 これからは、開発初期段階の資金を提供するリスクキャピタルが必要だ。しかし、この部分を国に頼ろうとしても、大学発ベンチャー1,500社くらいまでなら金出せるだろうが、それ以上は無理。 欧米に先駆けて、日本が法律や制度、税制を変革し、そこに資金が流れ込むような新しいリスクキャピタルの仕組みを実現すれば、世界から人材や資金が集まってくるのも夢ではない。

原 丈人(はら じょうじ)氏のプロフィール
1952年生まれ、75年慶応大学法学部卒、80年国連フェロー、81年スタンフォード大学大学院(工学)修士課程修了、シリコンバレーで光ファイバー・ベンチャー創業、85年デフタ・パートナーズ事業持株会社創業、94年ボーランド社代表取締役会長、2000年オープラス・テクノロジー社代表取締役会長、03年米国共和党ビジネス・アドバイザリー・カウンシルの評議会名誉共同議長、06年政府税制調査会特別委員、財務省参与、07年1月からは国連経済社会理事会常任監視団特命全権大使も。

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