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「未知の探求」から「既知の保存へ」

産業技術総合研究所理事長、元日本学術会議会長 吉川弘之 氏

掲載日:2006年11月13日

軽井沢土曜懇話会(2006年11月11日、国立情報学研究所 主催)講演から

これまでの科学というのは、15世紀からの「大航海時代」を引きずってきた。(目指すところは)「未知の探求」であり、研究の対象は「不変な存在」で、視点は「より微視的に、より遠くを」だった。研究の手段ということから見れば「顕微鏡と望遠鏡」である。

どこかに行けば必要なものは見つけることができる。そんな時代だった、ともいえる。

しかし、いま、地球は一つしかないということが、はっきりしてきた。21世紀になって、やっと「環境の時代」になった。

(21世紀の科学が目指すのは)大航海時代の「未知の探求」に対し「既知の保存」である。研究対象は「変化過程」であって、視点は「変化の歴史と予測」。2次元・3次元の空間的局所観測から、4次元の時空大局観測の時代だ。

(主たる)研究手段も顕微鏡・望遠鏡から、「総合観測、シミュレーション」に適した第3の観測手段である「スーパーコンピューター」ということになる。

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