アーカイブ - サイエンスコミュニケーション - What's on ~インタープリターU.K.訪問記~ -

英国サイエンス・フェスティバル報告会より

掲載日:2007年5月28日

このコーナーは、日本科学未来館のインタープリターが、ブリティッシュ・カウンシルの支援(*)でイギリス(U.K.)を訪れたときの体験談をご紹介しています。「サイエンス」や「コミュニケーション」をキーワードとする出会いや発見を、インタープリター自身が5回シリーズでレポートしました。

※日本科学未来館インタープリター:日本科学未来館の展示フロアで来館者と対話し、科学をわかりやすく伝え、ともに考える展示解説員としての役割を担うとともに、先端科学技術の動向のリサーチや、館内外での科学にかかわるさまざまなイベントの企画を行っています。また、展示フロアで日々接する来館者やイベント参加者との対話をもとに、科学技術に対する社会の評価や意見を研究者にフィードバックする役割も果たしています。

先日、5月21日夕方から日本科学未来館のインタープリター5名の方々の英国サイエンス・フェスティバル報告会が行われました。場所は飯田橋のブリティッシュ・カウンシルの1階のイベントフロアーで、お茶を飲みながらリラックスした雰囲気で行われました。参加者はスピーカーを含め約40名でした。

英国サイエンス・フェスティバルのパンフレット
ブライトンのフェスティバル始まったのは3年前、ニューカッスルも同じように若いフェスティバルです。でも、日本の何名もの方がサイエンス・フェスティバルとは、サイエンス・コミュニケーションとは何だろうと参加したのはきっと初めてでしょう。主催者もいつの間にか“おらが村の祭りも国際的になったもんだ”と眼をパチクリしている様子が浮かびます。元大英帝国も地方に行くと田舎なんですよ。

報告会の説明は、非常によく工夫されていて、さすがコミュニケーターだなと思いました。それは、以下のような観点から5名の方が印象に残ったことをリレー式に話して分かり易くまとめられていました。

  1. ブライトン/ニューカッスルの特徴
    小さな町で、科学とフェスティバルが本当に好きな人が中心となって手作りで行っている。
  2. 大人の話題も多い
    1. ダナ・センター:同性愛、SEX,パンクサイエンスも扱う。
    2. 美のサイエンス:化粧の話ではなく、オスが何故魅力的なメスに惹かれるか?
    3. サイエンスカフェ:実験用動物は何故犠牲にされなければならないか?
  3. みせかたに工夫を凝らしている。
    1. リチャード・ロビンソン氏:マジックで重力をうまく説明していた。
    2. サイエンス・ミュージアム:エクスプレイナーの重要な役割
    3. 火事と救助:消防士がガスに火をつけて模型の家を燃やす。
    4. バーンヘッド博士:メタンのシャボンに火をつけ爆発
      * 火や爆発を使い、観客を釘付けにするインパクト有り、サイエンスに知識がなくても楽しめる。火をこんなに無造作に使って大丈夫?
  4. 英国のサイエンス・コミュニケーター状況
    1. フェスティバルを主催する人、ショウーに出る人
    2. ミュージアムでのエクスプレナー
    3. サイエンスカフェに出演する人
      * 果敢にいろいろな人にインタビューをしている。

途中休憩時間30分程を利用して、英国から持ち帰った実験小物や本を使い少人数のグループに説明しているのも面白い試みでした。質疑応答も含め、早速英国で学んだところを取り入れる積極さが頼もしいではないですか。

楽しいサイエンスと勉強になるサイエンス
よくサイエンス・イベントで楽し催しがあると、誰かが決まったように最後に“サイエンスの催しは楽しいだけでいいのか?”と言うそうです。若いインタープリター達は今回の訪問でその答えを見つけたようです。単に楽しい科学もある、勉強になる科学もあり、まず楽しいことが一番、それが為になるものなら儲け物ぐらいの気持ちで、科学と接すること。

5名の方の感想を大胆に一言で言えば:

  • 博物館のエクスプレナーをみて、”自分自身が科学を楽しむことが大事“
  • リチャードさんのマジックをみて、“まず興味、次になぜ?そして一緒に考えるを学んだ”
  • パンクショーをみて、“気楽に、酒を片手に、思いっきり笑い、サイエンスネタを楽しむ、毎晩でも通いたい”
  • 野鳥の生態の話を通して、“鳥がどうしたら庭に集まるにはの話をしていて、知らず知らず鳥の習性(自然とサイエンス)と生き物への気持ちを教えられてたのかな”
  • 英国の博物館を見ていて、“人に科学の魅力を伝えるには、自分がかって感じたその魅力を忘れないようにしよう”
  • 共通の宿題:サイエンス・コミュニケーターは職業として成り立っていくか? 多くの知人が得られたことで、情報交換をすることからはじめよう。

ブリティッシュ・カウンシルは、若い世代のサイエンス・コミュニケーターの方々に、英国のサイエンス・フェスティバルを観て頂く企画に、わずかながらお手伝いをしました。しかし、短期間に言葉・文化の壁を越えこれほどの、多くの人に会い、多くの催しに積極的に出かけるとは思っても見ませんでした。まさに若い力のみ(精神的に若い)が為し得ることでしょう。

質疑でJSTの方が“日本も盛んなサイエンス・フェスティバルがあるんだ。“と言っていました。私は、海外を観ることは、回りまわって自分の国・自分を観直す事だと思っています。今回報告会に参加して、スピーカーの方たちは英国で観たこと聴いた事を活かして、日本のサイエンス・コミュニケションの発展に今後とも貢献される事を確信しました。 どうもご苦労様でした。

報告会の様子

 

ページトップへ