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永遠にさきがけテンション~生物進化を実験室で創る

大阪大学大学院 情報科学研究科 教授 四方哲也 氏

掲載日:2007年6月8日

四方哲也 氏(大阪大学大学院 情報科学研究科 教授)

四方哲也 氏(大阪大学大学院 情報科学研究科 教授)

 

「あなたは一体、何億年もかかった生物進化を、何年でやろうとしているんですか?」
「はい。3カ月でやります」
「!!!???」

これは、さきがけ研究「形とはたらき」研究領域での最終面接の一こまで、今でも鮮明に覚えています。丸山工作・研究総括(故人・千葉大学名誉教授。筋収縮の研究などで知られる)に、私の研究構想が本当に実現できるのか聞かれました。

当時のさきがけは、「アイデアが面白ければいい」、「ユニークな研究をやったら勝ち」という雰囲気が強かったので、私にぴったりだと思って応募してみました。研究テーマは、「ランダム配列からの機能性タンパク質の創出」。ある種クレイジーなアイデアだったかもしれないですが、やってみたかった。内容は要するに、長い進化の過程で作られてきた機能性タンパク質を、ランダムに並べたアミノ酸配列から作り出す、ということ。

なかなか結果が出ずに苦しんだ時期もありましたが、さきがけ研究期間が終わりに近い頃、ようやく機能を有するタンパク質を作ることができました。この結果を丸山先生に報告したところ、崩れそうな笑顔で「ようやった」と褒めて下さいました。ですが、私の最終評価表を後で見てみると、丸山先生の「何で結果が出たかよくわからないけどようやった!」と一言ありました。

さきがけ研究というのは、「ここが新しい山や!」と世界に知らしめるような研究をたくさんやってくれるような役割を果たせばよいと思っています。「この山にどうやって速く登っていくか」というのは、別にさきがけでなくてもよい。

やはり何といっても、自分の研究が、たとえ世の中の役に立っても立たなくても、自分が本当に興味をもっていること、やりたいことを追う、ということが研究には必要だと思います。

  • 「さきがけものがたり-未来を拓く研究者たちのドラマとその舞台」(アドスリー発行、丸善 販売)から要約転載)

 

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