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2008年10月7日編集だより

小岩井忠道

ノーベル物理学賞は、南部陽一郎、小林誠、益川敏英の日本人3氏が独占という画期的な結果となった。3氏とも編集者が若いころからすでに内外にその名が知られる有名な物理学者だから受賞することに意外感はない。

南部氏が長年、研究生活を送ったシカゴ大学の広報担当者などは、やっとという思いでこのニュースを聞いたと思う。

シカゴ大学に南部氏を訪ねたのはもう20年ほど前になる。当時、南部氏とともに小柴昌俊・東京大学教授(当時)の名前も受賞のうわさに上っていたが、「ことし小柴さんが受賞する理由があるかな」という感想を述べていた。事実、小柴氏のノーベル物理学賞受賞は、それから10年以上後のことだった。

南部氏の特徴は、業績が多岐にわたり、どれがノーベル賞の対象になるか分からないのに困ったことを思い出す。業績の中に「ひも理論」というのもある。湯川秀樹博士をはじめ、理論物理学者の業績は、理論が実験や観測で確かめられると万全となるらしい。「先生のひも理論が証明される可能性は?」と尋ね、その答えに仰天したことを思い出す。

「地球の直径より大きな加速器がないと証明できません」

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