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2007年8月30日編集だより

小岩井忠道

中学生のころ走り高跳びといえば、ベリーロールという腹をバーの方に向ける飛び方が流行っていた。といっても地方の中学生でこんな気の利いた跳び方ができる人間などほとんどいないから、陸上競技の大会では背中をバーに向ける昔ながらの跳び方が通用していたように思う。

いまや、背面跳び以外通用する跳び方などない、ということのようだが、世界陸上の優勝者、ドナルド・トマス(バハマ)は久々に喝采を送りたくなるような選手にみえる。見てておよそ迫力を感じさせない、というのが背面跳びの“欠点”ではないかと思うが、この選手は並みの選手とはだいぶ違うようだ。ずっとバスケットボールをやっており、走り高跳びの経験は2年もないというのが何とも痛快だ。まだ相当無駄な動きをしながら、この種目一筋という選手たちに勝ってしまうというのは、潜在力ではさらに差があるということだろう。

バスケットボールの遊びにダンクコンテストというのがある。何歩か助走した後、ジャンプしてリングの上からボールをたたき込むフォームの華麗さを競う。毎年、米バスケットボール協会(NBA)のオールスター戦前夜に行われる。スーパースターだったマイケル・ジョーダンは無論、ある年のチャンピオンになったが、翌年から出なかった。「かかとを痛める恐れがある」。チームドクターだったかに忠告されたから、と何かで読んだ記憶がある。本気でジャンプすると、あまりに高く飛ぶことができるため、着地したときの足に与える衝撃が大きすぎるという理由だった。

ジョーダンは、バスケットボール選手として頂点の時に、一時、大リーグの選手を目指し、マイナーリーグ生活を送ったことがある(高校生の時には野球の選手としても一流だった)。いっそ、大リーグなど目指さず、走り高跳びでオリンピックを目指したらどうだったろうか。

ジョーダン以外にも、よくこれほど飛び上がることができると感心する選手はたくさんいたような気がするが、スポーツの世界も異分野融合、異業種交流などが、盛んになったら楽しい。

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