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2006年10月14日編集だより

小岩井忠道

秋だというのに、何か妙だったな、と後で気づいた。暑くもない寒くもないすがすがしい土曜日、もとの会社のOB仲間たち30数人と中山道を歩いた。

歩くのは毎月、第2土曜日と決まっている。日本橋を振り出しに、この日は4日目で、JR高崎線北上尾駅に集合し、北鴻巣駅までの10数キロのコースだった。宿場でいうと桶川宿、鴻巣宿を通る。全部歩き終えるのに何年かかるのか、聞いていないが、とにかくメンバー全員が無事、京都までたどり着くことを祈るばかりだ。ゴールに着く前に、冥土へ直行などという人を出さず。

さて、中山道といってもこのあたりでは昔の面影を残すところは、少ないようだ。ただし、神社やお寺は、確実に昔の風景、体験を思い起こさせて懐かしい。

昼食をかねて休憩をした神社の境内では、ちょうどお年寄りのゲートボール大会が終わるところだった。

その後に立ち寄った、関東十八壇林(浄土宗の僧の養成所)の一つという勝願寺も、なかなかに風格のあるお寺である。「この辺の子供たちは遊び場に困らなくていいね」などと同行の仲間と話した。

お寺に隣接して広い運動場もある。ところが、お寺の境内にもこの運動場にも子供の姿が全く見られないのである。そういえば昼食のため休憩した神社でも、お年寄りの姿しか気がつかなかった。

きょうは学校の運動会でもやっているからだろうか、しかし、運動会は、体育の日に合わせて前の週にやってしまっているところが多いのでは。

秋のすがすがしい土曜日の午後だというのに、子供たちは一体どこにいるのだろう。歩き終わって、しばらくして気づいた、というわけだ。

大都市の子供たちに遊び場を取り戻してやるにはどうしたらよいか。今、日本学術会議の委員会が真剣な議論をしている。しかし、仮に遊び場を確保しても、もはや子供たちに外で遊ぶ元気がなくなってしまっているとしたら…。

いや、そんなばかなことはあり得ない。遊ぶのは子供の特権なのだから。中山道を歩いたおかげでその夜はいろいろ考えた。

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