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2006年10月4日編集だより

小泉成史

自然科学系のノーベル賞3賞をすべてアメリカの研究者が独占してしまった。かなり前から米国の独り勝ちが続いていたけど完全制覇は珍しいのでは?

数年前、物理・化学の2賞を米国がとったので、大きく扱っているかなとニューヨーク・タイムズ(紙版)の1面を探したがなかなか見つからず、下の方に小さく載っていただけなのを見てショックを受けたことがある。研究業績は後ろにきちんと紹介記事があるのだが、要するにすでに米国ではノーベル賞はニュースではなくなっていた。
ちなみに、その時、タイムズの1面トップにでかでかと載っていたのはヤンキースの選手のホームラン性のあたりを少年がキャッチしてしまった写真だったと記憶する。

今年も残念な結果に終わったため、わがマスコミの“ノーベル賞崇拝マグマ”のエネルギーはまた一段と蓄えられ、来年か、さ来年か5年後かわからないが日本人受賞の際は“大爆発”を起こし、新聞は1面から社会面までつかった大展開が繰り広げられるのであろう。珍しいからニュースになるので、これは致し方ないことかもしれない。日本人による宇宙飛行、オリンピックの金メダル獲得、皆同じである。

「日本ではサイエンスがノーベル賞を通じてしか語られないことに問題がある」と在米の日本人科学者(専門はノーベル賞とは無関係)が諦めたように話していたことを、いつもこの季節になると思い出す。

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